治療に通常用いるはりとお灸のほかに、当院では、必要に応じ刺絡療法を行っています。刺絡療法とは、皮膚や手足の末端部分で血流障害を起こしている部分から少量の血を採取し、全身の気血の流れを改善し、症状の改善をはかるものです。

え??血をとるの?とお思いの方も多いはず^^/ とるといってもほんの少量で効果がありますのでご安心を。

似たものとして瀉血療法があり、西洋では19世紀初頭までは瀉血療法が治療法のなかで中核的な位置を占めていたそうです。一方、中国を起源とする刺絡療法は、石器時代にまでさかのぼるといわれています。虫に刺されたり動物に噛まれたりした部分から毒を出すために、あるいは打撲したところから鬱血をとるために、痛みをおさえるために、その部分を鋭利なもの(へん石とか)切開して血を出したら効果があった、という経験が、東洋医学的な理論と結びついて体系化されたようです。

刺絡療法では主に手足のつぼを使う井穴刺絡と、そのほかの部位を面的に施す皮膚刺絡、皮膚表面に浮き上がった血流障害の部位に直接施す細絡刺絡、の3つの方法があります。

写真3写真は井穴刺絡です。人差し指の爪の際には陽明大腸経のツボがあります。風邪や首・肩のこりなどによく効きます。爪の際を井穴(せいけつ)と言い、親指側から順に肺経、大腸経、心包経、三焦経、心経、小腸経の重要なツボが存在します。爪もみ健康法というものがありますが、これは井穴を刺激することで上記の経絡を調整することに加え、自律神経のバランスを整える効果が期待できるとするものです。

実際、即効性を出したいときにこの井絡刺絡はとても便利です。一番実感できるのは、指のこわばりですかね。手を握るとぎこちない、違和感がある、といったときに行うと、ぱっと軽くなります。手足のような末端部分には余分な血液が溜まりやすいので、それを取り除くことで血流が回復するのです。滞った血流を改善するという意味で広く皮膚炎や子宮筋腫などの婦人科系疾患にも応用できます。

刺絡の効果は数知れないのですが、あともうひとつあげるならば熱を下げる作用です。風邪を引いて熱が出ている、喉が痛いなどの場合、親指と人差し指の井穴に刺絡をすると発汗、解熱し、喉の痛みもすーっと和らぎます。

ちなみに写真の道具の先端についているのは、糖尿病の方が自宅で採血できるように市販されている器具の針部分です。使いきりにできるので便利です。針をつけている金具部分もオートクレーヴで滅菌消毒しています。

ご興味ある方はいちどお試しください♪