昨年末、低用量ピル(OC)の副作用のなかでも最も重篤な血栓症による死亡例が、過去5年間で11例、重症例が361例も報告されていたことが大きく報道されました。1月17日には、厚生労働省が特定の超低用量ピルであるヤーズ配合上について、「本剤との因果関係が否定できない血栓症による3例目の国内死亡例が報告された」として、本剤の使用に関する注意喚起が行われました。

経口避妊薬という名のとおり、ピルは本来「確実な避妊」を目的として服用するものでしたが、1999年に低用量ピルが発売されて以来、生理不順や月経痛、月経困難症など月経の問題を解決する手段としてその用途が広がり、服用者は増加の一途を続けています。さらに、近年の目覚ましい高度生殖医療の発達を背景に、排卵コントロールや子宮内膜の調整などを目的とした低用量ピルの使用は急増していると思われます。

このようななかでの今回の報道。実際にピルを服用されている方にとって自分は大丈夫なのかという不安は尽きないかと思います。

ピルと血栓症に関するWHO(世界保健機関)のレポートなどでは、
・ピル服用者では静脈血栓塞栓症のリスクは非服用者の3−6倍にのぼる
・リスクは服用開始後1年以内で最も高く、徐々に減少するが中止するまで持続すると考えられる
・動脈血栓症では、喫煙、高血圧、糖尿病、加齢(40歳以上)がリスク因子となる
・静脈血栓症では、加齢(40歳以上)、肥満、最近の手術、血栓性素因がリスク因子となる
ことが分かっています。(日本産婦人科学会誌52巻7号「血液凝固のメカニズムとその対策シリーズ」ピルと血液凝固、その対策 より引用)

さて、今回公表された3例では、40歳代1名以外は上記のリスク因子にいずれも当てはまらないケースでの血栓症による死亡例でした。また、服用開始後2週間以内、約1年半、約10ヶ月での発症と期間もまちまちです。

つまり、年齢(40歳以上)、喫煙、肥満、家族歴などのリスク因子や期間に関係なく、低用量ピル服用により血栓症を発症し、場合によっては重篤化することがあるという事実が明らかになったという訳です。

私自身、薬剤師でも医師でもなく婦人科の知識も多くはありません。ただ、仮に自分がピルユーザーだったとしたら、という視点で今回の一件を機にピルの副作用とその予防策について、じっくり考えてみたいと思います。

どうしてピルを飲むと様々な副作用が生じるのか?
リスクにもかかわらずなぜピルユーザーは増え続けているのか?
副作用を避ける策はあるのか?
そもそもピルを飲む必要性はあるのか?
ピルを飲まずに悩みを解決する方法はないのか?

様々な疑問が沸いています。順を追ってこの場に書いていきたいと思います。