逆子の治療で来院された妊婦さんのご感想をアップしました。
 
妊娠28週頃に医師より逆子であると告げられる妊婦さんは少なからずいらっしゃいます。逆子のまま分娩に至ると、通常の分娩に比べ、胎児の分娩損傷や周産期死亡のリスクが高いため、現在は大部分の医療施設で逆子に対し帝王切開が選択されています。
 
逆子を改善する方法として、現在、①逆子体操、②外回転術、③鍼灸治療が一般的です。医学的に効果があるかどうか、いわゆるエビデンスが強いと言われるランダム化比較試験で有効とされているのは、②の外回転術です。ただ、外回転術は、常位胎盤早期剥離や臍帯圧迫、胎盤血腫形成、子宮内胎児死亡などの合併症が起こるリスクも伴うとされており、実際に行っている施設は多くないそうです。
 
逆子体操も、効果は今ひとつ証明されておらず、その割には体操の体勢が妊婦さんに負担を強いるためお腹の張りや吐き気などを生じさせたりすることもあり、あまり勧められるものではありません。
 
さて、はり灸ですが、エビデンズとしてのレベルは高いとは言えないものの、専門家の症例研究や実験的研究による効果ありとの報告が多数存在します。「逆子の鍼灸治療:形井秀一編著」によると、過去の症例を集積したものでは、鍼灸治療による逆子の矯正率は83.1%(但し11.7%〜92.3%のバラツキ)と出ています。
 
妊婦さんにはり灸施術をさせていただくと、施術した端からお腹の赤ちゃんの動きが活発になるのが分かります。はりとお灸の刺激で子宮動脈と臍帯動脈(赤ちゃんとお母さんをつなぐへその緒の血管)の血流量が増加し、その結果、子宮の筋肉の緊張を和らげ、胎動を促すのではないかと考えられています。
 
一方、最終的に逆子が改善しない例も少なからずあります(最終的に全妊婦さんの3%と言われています)。逆子が返り辛い要因として、①臍帯巻絡(へその緒が首に巻きつくなど)②双角子宮(子宮の奇形)③筋腫④羊水過少⑤臍帯長が短い⑥腹部緊満感、などが挙げられます(「逆子の鍼灸治療」より)。
 
このような理由があって、残念ながら改善せずに出産に至る方も当院にはいらっしゃるのですが、皆さん、妊娠の最後の期間に集中してはり灸でケアをされたことで、帝王切開後の回復が早いとおっしゃられます。最後は赤ちゃんが無事に生まれてきて、母子ともに健やかでいられるのが一番ですよね^^
 
これから出産される方の少しでも参考になれば幸いです。