経口避妊薬(OC)は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを人工的につくり配合したものです。副作用を考えるうえでこの「人工的に」という点がポイントです

まずはおさらい。

体内で作られるエストロゲン(体内エストロゲン)は、以下のような特長があります。
・脳の指令(卵胞刺激ホルモンFSH)を受けて卵巣で産生、分泌される
・子宮のなかの組織をつくりそこに血液を多く集める
・卵胞での卵子の成熟を促す
・生理の直後から排卵直前までの約12日間多く分泌される
より詳しくはこちらも参考にしてくださいね。

同じく体内で作られるプロゲステロン(体内プロゲステロン)の特長は以下のとおり。
・脳の指令(黄体形成ホルモンLH)を受けて排卵後の卵胞が変化した黄体で産生、分泌される
・子宮のなかの組織を成熟させ、血液の供給の増加を促す
・体温を上昇させる(高温期)
・生理後半の2週間に最も多く分泌される
より詳しくはこちらも参考にしてくださいね。

一方、人工のエストロゲンと人工のプロゲステロン(プロゲスチンといいます)は上記の体内ホルモンとは似て非なるものです。物質の最小単位である分子の構造が異なるためです。例えば、人工のエストロゲン製剤の代表格であるプレマリンは、妊娠している雌馬の尿から作られています。馬の尿のなかには、人間の体内にあるホルモンも含まれていますが、「エキリン」と「エキレニン」という馬に特有の女性ホルモンも含まれています。

こうした人工のホルモンはある程度は体内ホルモンと同じ働きをすることが出来ますが、分子構造の違いゆえにもともとの体内ホルモンがその意図で作られているのとは違うメッセージを伝えたり、時には逆のメッセージを伝えたりします。このような働きが、副作用と呼ばれるものです。そして、人工の女性ホルモンは、基本的に身体にとって異物として認識されるので、体の外にうまく排出することが出来ないというデメリットもあります。

こうしたことは一般的な薬物に対しても同じようなことが言えるでしょう。人間の身体は非常にデリケートかつ複雑に出来ており、その一部に対して分子構造を一つでも違うものを与えることは、身体に計り知れない影響をもたらすのです。多くの保険診療で使われる人工の薬物は、自然界の物質(植物や動物)のなかから有効成分だけを抽出し、分子構造を変えることで特許が認められているのだそうです。

人工の女性ホルモンが身体にどのような影響をもたらすかについては次回詳しく綴ります