You are what you eat.という言葉、ご存知ですか?文字通り、あなたはあなたが食べたもの(取り入れたもの)で出来ているということです。口から摂取した食べ物は、消化管で栄養素に変えられ、腸の毛細血管から吸収されて全身の隅々の細胞に運ばれます。同じく口と鼻から取り込んだ酸素は肺の毛細血管から全身の血管を通じて末端の細胞にまで運ばれます。そこで始めて脳や心臓、呼吸器、消化器、腎臓、肝臓、生殖器、そして全身の筋肉や関節は正常に働くことが出来るのです。

ところが、もし、血液の流れが何かの理由で滞り、栄養素や酸素が末端の細胞まで運ばれなくなったらどうなるでしょう?末端の細胞は壊死を起こし、臓器や筋肉、関節は正常に働く事が出来なくなります。そしてこのような状態が長く続くと、やがて様々な疾患を引き起こす事になります。動脈硬化はもちろん、糖尿病、脳血管障害、高血圧など生活習慣病はもちろん、不眠や頸肩こり、腰痛、頭痛、関節痛など実に様々な症状が血液循環障害と関係が深いとされています。

LDLコレステロールと中性脂肪は血液の流れを滞らせます。脂質異常症が心疾患リスクを上げることはよく知られていますが、他の生活習慣病予防のためにも、血液中のLDLコレステロールと中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やすための食事法が非常に重要になるわけです。

脂質異常症と言われて「私、そんなに油っぽいもの食べてないつもりなんだけど、どうすればいいのかしら?」と思われる方が多いのですが、脂質=悪という訳ではありません。脂質にも身体に良いものと悪いものがあり、その中身を変えていけば良いのです。

具体的には、
①LDL(悪玉)コレステロールを下げるために
・動物性の肉や乳製品などの飽和脂肪酸を含む食品の摂取を減らし、
・マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸を含む食品の摂取をなるべく避ける。
→外食での揚物やファーストフード、スナック菓子、焼き菓子に多く含まれる。
②HDL(善玉)コレステロールを上げるために
・オリーブ油、キャノーラ油、アボカド、ナッツや胡麻などの一価不飽和脂肪酸を含む食品と、
・イワシやマグロなどに含まれるオメガ3脂肪酸とシソ、エゴマ、大豆などのオメガ6脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸を含む食品の摂取を増やす。
③中性脂肪を下げるために
中性脂肪は、摂取した糖質、たんぱく質、脂質のうち、余分なものが貯蔵脂質として皮下の脂肪組織や肝臓に蓄えられたものです。中性脂肪が血中で増えると、HDLコレステロールが増え、LDLコレステロールが減ることが分かっています。

タンパク質はおおまかに言って、なるべく動物性タンパク質よりも大豆やナッツ類などの植物性タンパク質を採るようにすれば大きな問題はありません。

一方、過剰な糖質、特に精製されているもの(パスタや白米、白砂糖)や果糖は血糖値を上げ、血液を滞らせる原因となります。精製度の低いもの(全粒粉のパスタや玄米、はちみつなどの代替甘味料)や豆類、野菜から糖質を摂取するようにすれば、血糖値や中性脂肪の値を大きく上げることはありません。

いかがでしょうか?今の食生活と比べて改善すべき点があれば出来るところから取り入れてみましょう。外食や出来合いのものを食べることが多い方は、週に一回でも自炊の機会を増やすところから。甘いものや肉が好きな方は、例えば3日1回、甘いものと肉をやめる日を作ってみる。そうやって少しずつ食生活を変えると身体は必ず変わります。

次回は東洋医学的な観点から脂質異常症について記します。